こんにちは。パソコン教室和み福岡東校の伊藤です。
今回は、Wordで文書を作るときに必ず目にする「フォント」についてお話しします。
- 「明朝体(みんちょうたい)とゴシック体って、何が違うんですか?」
- 「丸ゴシックは、どんなときに使えばいいですか?」
そして、教室でも時々ご質問をいただくのが、
「HG明朝EとHGP明朝Eって、何が違うんですか?」
という疑問です。
フォントの一覧を開くと、
- 「HG」
- 「HGP」
- 「HGS」
という、よく似た名前が並んでいることがあります。
名前は似ているのに、いったい何が違うのでしょうか。
実は、この違いが分かるようになると、Wordで作る案内文や町内会のお知らせ、チラシ、名簿などが、ぐっと読みやすく整えられるようになります。
今日は難しい専門用語をなるべく使わず、
「明朝体・ゴシック体・丸ゴシックの違い」
そして、
「HG・HGP・HGSの違い」
を、パソコン初心者の方にも分かるようにお話ししていきます。
フォントが変わると、文章の印象も変わります
Wordを使っていると、「フォント」という言葉がよく出てきます。
フォントとは、簡単にいうと「文字の形やデザイン」のことです。
同じ文章を書いても、使うフォントによって印象は大きく変わります。
たとえば、会社に提出する正式な書類と、地域の夏祭りのお知らせでは、同じ文字の雰囲気では少し合わないことがあります。
文章の内容に合わせてフォントを選ぶことで、
- 「きちんとしている」
- 「読みやすい」
- 「やさしい」
- 「親しみやすい」
といった印象を自然に伝えることができます。
洋服にも、仕事用、普段着、お出かけ用があるように、文字にもそれぞれ得意な場面があると思っていただくと分かりやすいかもしれません。
まず覚えたい3つの書体
パソコンにはたくさんのフォントが入っています。
全部を覚える必要はありません。
まずは代表的な
- 「明朝体」
- 「ゴシック体」
- 「丸ゴシック体」
この3つの違いを知っておくだけでも、文書作りはかなり楽になります。
明朝体は「きちんとした文章」に向いています
明朝体の大きな特徴は、縦の線が太く、横の線が細いことです。
文字の端に小さな飾りが付いているのも特徴です。
リコーの用語解説でも、明朝体は「縦線が太く、横線が細い」代表的な書体として説明されています。
新聞や書籍などでも昔からよく使われているため、
- 「落ち着いている」
- 「信頼感がある」
- 「きちんとしている」
という印象を与えやすい書体です。
たとえば、
- ・会社に提出する文書
- ・自治会や町内会の正式なお知らせ
- ・報告書
- ・長めの文章
- ・案内状
などに向いています。
Wordで文章中心の文書を作るとき、
「どのフォントにしたらいいか分からない」
という場合は、まず明朝体を選んでみてもよいでしょう。
派手さはありませんが、文章を落ち着いて読んでもらいたいときには、とても使いやすい書体です。
ゴシック体は「見やすさ」を重視したいときに便利です
ゴシック体は、線の太さが比較的そろっているのが特徴です。
リコーの用語解説でも、ゴシック体は「全体的に線の太さが均一」なのが特徴とされています。
明朝体と比べると線がはっきり見えるため、
- 「見出し」
- 「タイトル」
- 「短い案内」
- 「掲示物」
などに向いています。
たとえば、
「10月15日 公民館清掃のお知らせ」
というタイトルがあったとします。
本文は明朝体にして、タイトルだけ太めのゴシック体にすると、どこが大事なのか一目で分かります。
パソコンの画面上で読む文章にも、ゴシック体はよく使われます。
小さい文字でも線が比較的はっきりしているため、スマートフォンやパソコンの画面との相性もよい書体です。
Wordで作るチラシや案内文でも、
「全部同じフォントにすると何となくメリハリがない」
というときは、
本文を明朝体、
見出しをゴシック体、
という組み合わせを試してみてください。
それだけでも文書がかなり読みやすくなります。
丸ゴシック体は「やさしく親しみやすい」印象です
丸ゴシック体は、基本的にはゴシック体に近い形ですが、線の端や角が丸くなっています。
そのため、普通のゴシック体よりもやわらかく、
- 「やさしい」
- 「親しみやすい」
- 「かわいらしい」
という印象になります。
たとえば、
- 子ども向けのお知らせ
- 地域イベントの案内
- 教室の掲示物
- 親しみやすさを出したいチラシ
- ちょっとしたカード
などに使いやすい書体です。
ただし、丸ゴシック体を文書全体にたくさん使うと、場合によっては少し幼い印象になることもあります。
正式な報告書やビジネス文書なら明朝体やゴシック体、
地域の交流会や楽しいイベントのお知らせなら丸ゴシック体、
というように、目的に合わせて選んでみましょう。
明朝体・ゴシック体・丸ゴシック体、結局どれを選ぶ?
ここまでのお話を簡単に整理してみましょう。
明朝体は、
「落ち着き・信頼感・長い文章」
に向いています。
ゴシック体は、
「読みやすさ・見出し・強調」
に向いています。
丸ゴシック体は、
「やさしさ・親しみやすさ」
を表したいときに向いています。
これだけ覚えておけば、日常的なWord文書では十分役に立ちます。
そして、もう一つ大切なことがあります。
フォントは、たくさん使えばおしゃれになるわけではありません。
一つの文書の中で何種類ものフォントを使うと、かえって読みにくくなってしまいます。
私は教室では、最初のうちは、
「本文に1種類、見出しに1種類くらいで十分ですよ」
とお伝えしています。
フォントは目立たせるためだけのものではなく、相手に読みやすく伝えるためのものだからです。

では「HG」「HGP」「HGS」は何が違うのでしょう?
ここからが今回のもう一つのテーマです。
Wordのフォント一覧を見ていると、
- 「HG明朝E」
- 「HGP明朝E」
- 「HGS明朝E」
あるいは、
- 「HGゴシックE」
- 「HGP創英角ポップ体」
など、よく似た名前を見かけることがあります。
「明朝体なのは分かるけれど、その前のHGやHGPは何?」
と思いますよね。
実はHG・HGP・HGSは、文字そのもののデザインがまったく違うというより、
「文字をどんな幅で並べるか」
に関係しています。
ここを理解すると、とても分かりやすくなります。
まず知っておきたい「文字幅」という考え方
たとえば、
「11111」
と、
「MMMMM」
という文字を考えてみてください。
アルファベットの「I」や数字の「1」は細い文字ですね。
一方、「M」や「W」は横に広い文字です。
ところが、すべての文字に同じ幅を割り当てるフォントでは、細い「1」にも広い「M」と同じようなスペースが用意されます。
すると、文字によっては間が広く見えることがあります。
これに対して、文字の形に合わせて幅を調整すると、
細い文字には狭い幅、
太い文字には広い幅、
というように自然に並べることができます。
このように文字によって幅を変える考え方を「プロポーショナル」といいます。
少し難しい言葉ですが、
「文字ごとに、ちょうどいい横幅で並べる」
と考えるとよいでしょう。
HGは「基本的に同じ幅でそろえて並べる」
まず「HG」です。
リコーの資料では、HGは「固定ピッチ情報のみ」を持つフォントとして説明されています。
「固定ピッチ」という言葉も難しく聞こえますが、
簡単にいうと、
「基本的に決められた一定の幅で文字を並べる」
ということです。
そのため、文字の位置をそろえたい文書では扱いやすいことがあります。
昔ながらの文書や、文字の並びを規則正しく見せたい場合などに使われてきました。
「HG」と書いてあったら、
「文字幅をそろえるタイプなんだな」
くらいに覚えておけば十分です。
HGPは「文字の形に合わせて詰めて表示しやすい」
次は「HGP」です。
「P」は、プロポーショナルを表す名前として覚えると分かりやすいでしょう。
HGPでは、半角文字に加え、ひらがな・カタカナや記号などの「非漢字」にもプロポーショナルの情報が入っています。
つまり、
「文字の形に合わせて、必要以上に間を空けず、自然に並べやすい」
という特徴があります。
たとえば、
「こんにちは、パソコン教室和みです。」
という文章でも、文字の形に応じて横幅が調整されるため、HGと比べると文字間が少し詰まって見える場合があります。
チラシのタイトルや案内文など、
- 「文字を自然な間隔で見せたい」
- 「限られた横幅に文字をきれいに収めたい」
- というときには、HGPが使いやすいことがあります。
Wordを使っていて、
「同じ文字サイズなのに、こちらのフォントのほうが文章が短く収まるな」
と感じたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
その理由の一つが、この文字幅の違いです。
HGSは「半角文字をプロポーショナルにするタイプ」
そして「HGS」です。
リコーの資料によると、HGSは「半角文字」にプロポーショナルピッチの情報を持つタイプです。
つまり、
アルファベットや数字などの半角文字は、それぞれの形に合わせた幅で表示しながら、
全角の日本語文字については、基本的にそろった幅で扱います。
ここがHGPとの違いです。
かなり細かい違いですので、普段Wordでお知らせや文書を作るだけなら、
「絶対に全部覚えなければいけない」
というものではありません。
まずは、
HG=固定幅が基本
HGP=半角文字や非漢字も文字に合わせて幅を調整
HGS=半角文字を文字に合わせて幅を調整
というイメージを持っておくとよいでしょう。
HG・HGP・HGSを簡単に整理すると
もう一度、できるだけ簡単に整理します。

HG
文字を一定の幅でそろえて並べる「固定ピッチ」が基本です。
文字の位置や並びをそろえたい場合に向いています。
HGP
文字の形に合わせて横幅が変わる「プロポーショナル」の情報を、半角文字だけでなく、ひらがな・カタカナ・記号などの非漢字にも持っています。
自然な文字間隔に見せたい文書やチラシなどで使いやすいタイプです。
HGS
半角の英数字などにプロポーショナルの情報を持っています。
HGPとHGの中間のような感覚で考えると、初心者の方にはイメージしやすいでしょう。
リコーの資料でも、同じ書体が「HG~」「HGP~」「HGS~」という3種類の名前で表示される例が紹介されています。
実際にWordで比べてみると分かりやすいです
この違いは、文章だけで覚えようとするよりも、Wordで実際に試してみるのがおすすめです。
たとえばWordを開いて、
「パソコン教室 Nagomi 2026」
などと入力してみましょう。
その文章をコピーして3行作り、
- 1行目をHG系のフォント、
- 2行目をHGP系の同じ書体、
- 3行目をHGS系の同じ書体、
に変更してみます。
文字サイズはすべて同じにしてください。
すると、
「あれ?同じ文字なのに横幅が少し違う」
ということに気づくと思います。
特に、ひらがなやカタカナ、英数字、句読点などが入った文章で比べると違いを確認しやすくなります。
Wordの勉強というと、
- 「このボタンを押してください」
- 「次はここをクリックしてください」
と操作だけを覚えがちです。
でも、
「どうしてこうなるのかな?」
と実際に比べてみると、理解がずっと深まります。
教室でも、こうしたちょっとした実験をしながら覚えていただくことがあります。
初心者なら、フォント名を全部覚えなくても大丈夫です
フォント一覧を開くと、本当にたくさんの名前が出てきます。
初めて見る方は、
「こんなに覚えられません」
と思われるかもしれません。
大丈夫です。
全部覚える必要はありません。
大切なのは、
- 「何を作るのか」
- 「誰に読んでもらうのか」
を考えることです。
| 町内会のお知らせ | 見出しはゴシック体で大きく、 本文は明朝体または読みやすいゴシック体 |
| 地域イベントのチラシ | タイトルに丸ゴシック体などのやさしいフォント |
| 正式な報告書 | 落ち着いた明朝体 |
まずはこのくらいから始めてみましょう。
HG・HGP・HGSについても、
普段は細かい違いを意識せずに使っても大きな問題はありません。
ただ、
「同じような名前のフォントが3つあるのはなぜ?」
という疑問を持ったときに、
「文字の幅の扱いが違うんですよ」
と分かれば十分です。
フォント選びで気をつけたい3つのこと
1.一つの文書でフォントを使いすぎない
Wordを覚え始めると、いろいろなフォントを試してみたくなります。
気持ちはよく分かります。
ただ、一つの文書で4種類、5種類と使ってしまうと、全体が落ち着かなくなります。
基本は1~2種類。
多くても3種類程度にすると、まとまりやすくなります。
2.「おしゃれ」より「読みやすい」を優先する
特に地域のお知らせや自治会文書では、読む方の年齢もさまざまです。
細すぎる文字、小さすぎる文字、飾りの強いフォントは、読む人によっては負担になります。
作った本人にはおしゃれに見えても、相手に読んでもらえなければ意味がありません。
「自分が使いたいフォント」ではなく、
「相手が読みやすいフォント」
という視点を持ってみてください。
3.相手のパソコンに同じフォントがあるとは限りません
フォントは、パソコンの環境によって入っている種類が異なる場合があります。
自分のパソコンではきれいに表示できても、別のパソコンで開くと違うフォントに置き換わることがあります。
Wordファイルを他の人に渡す場合には、この点も知っておくと安心です。
「完成したレイアウトをそのまま見てもらいたい」
という場合には、Wordのまま渡すだけでなく、PDFにして渡す方法もあります。
こういったことも、Wordを仕事や地域活動で使うようになると、とても大切になってきます。
フォントが分かると、Wordがもっと楽しくなります
Wordは、文字を入力するだけのソフトではありません。
- 文字の大きさを変えたり、
- 色を変えたり、
- 行間を整えたり、
- 写真を入れたり、
そしてフォントを選んだりすることで、
同じ内容でも、とても読みやすい文書に変えることができます。
フォントについて少し知っておくだけでも、
- 「この案内は年配の方も読むから、はっきりしたゴシック体にしよう」
- 「これは正式な報告書だから、落ち着いた明朝体にしよう」
- 「子ども向けのイベントだから、丸ゴシック体を使ってみよう」
と、自分で考えて選べるようになります。
これは単にWordの操作を覚えるということではありません。
「相手に伝わる文書を作れるようになる」
という大切な力だと思います。
まとめ フォントは「誰に、何を伝えるか」で選びましょう
今回は、
「明朝体・ゴシック体・丸ゴシック体の違い」
そして、
「HG・HGP・HGSの違い」
についてご紹介しました。
簡単に振り返ると、
明朝体は、落ち着きがあり、長い文章や正式な文書に向いています。
ゴシック体は、線がはっきりしていて、見出しや読みやすさを重視した文書に向いています。
丸ゴシック体は、やさしく親しみのある印象を出したいときに便利です。
そしてHG・HGP・HGSは、主に「文字幅の扱い」に違いがあります。
最初から全部覚えようとしなくても大丈夫です。
Wordを使いながら、
「これは何が違うんだろう?」
と思ったときに、一つずつ覚えていけば十分です。
パソコン教室和みでは、決められた操作をただ覚えるだけではなく、
- 「なぜこうなるの?」
- 「前に聞いたけれど、もう一度聞いてもいい?」
というご質問も大歓迎です。
当教室のモットーは、
「100回聞いても怒られない」
です。
一度聞いて分からなければ、二度でも三度でも聞いてください。
しばらく使わなかったら忘れてしまうのも普通のことです。
- Wordで町内会のお知らせを作りたい方。
- 仕事で必要な文書を自分で作れるようになりたい方。
- パソコンを買ったけれど何から勉強したらよいか分からない方。
そんな皆さまのお手伝いができればと思っています。
パソコンやスマートフォンは、分からないままでは不安の原因になりますが、少しずつ使えるようになると、生活や仕事を助けてくれる心強い道具になります。
「ITスキルで人生に安心と豊かさを」
これからもパソコン教室和みでは、一人ひとりのペースを大切にしながら、地域の皆さまの「できた」を増やしていきたいと思います。

コメント Comments
コメント一覧
コメントはありません。
トラックバックURL
https://media.pc-nagomi.com/lesson/785/trackback/